今回は、令和5年度予算より、地域医療介護総合確保基金として計上された介護施設の感染拡大防止支援策の内容をご案内します。
いずれも前年度で実施されていた支援策で、令和5年度も予算がつけられ、継続されることが決定しています。
多床室の個室化に要する改修費
■事業内容
事業継続が必要な介護施設等において、感染が疑われる者が複数発生して多床室に分離する場合に備え、感染が疑われる者同士のスペースを空間的に分離するための個室化(※)に要する改修費について補助
(※)可動の壁は可
(※)天井と壁の間に隙間が生じることは不可
■補助対象施設
入所系の介護施設・事業所
■補助上限額
1定員あたり97.8万円
簡易陰圧装置の設置に要する費用
■事業内容
介護施設等において、感染が疑われる者が発生した場合に、感染拡大のリスクを低減するためには、ウイルスが外に漏れないよう、気圧を低くした居室である陰圧室の設置が有効であることから、居室等に陰圧装置を据えるとともに簡易的なダクト工事等に必要な費用について補助
■補助対象施設
入所系の介護施設・事業所
■補助上限額
1施設あたり:432万円×都道府県が認めた台数(定員が上限)
感染拡大防止のためのゾーニング環境等の整備に要する費用
■事業内容
新型コロナウイルス感染症対策として、感染発生時対応及び感染拡大防止の観点からゾーニング環境等の整備に要する費用について補助
■補助対象施設
入所系の介護施設・事業所
■補助上限額
@ユニット型施設の各ユニットへの玄関室設置によるゾーニング:100万円/箇所
A従来型個室・多床室のゾーニング:600万円/箇所
B家族面会室の整備:350万円/施設
家族面会室の整備
2方向から出入りできる家族面会室の設置の他、新型コロナウイルス感染症下における家族面会を可能とするための整備・改修について支援
【例】
- 「密」を避けるための家族面会室の複数設置や拡張(床面積の拡大)
- 家族面会室における簡易陰圧装置・換気設備の設置
- 家族面会室の入口に消毒等を行う玄関室等の設置
- 家族面会室がない場合の新規整備
【対象施設等】(※)変更なし
- 特別養護老人ホーム
- 介護老人保健施設
- 介護医療院、介護療養型医療施設
- 養護老人ホーム
- 軽費老人ホーム
- 認知症高齢者グループホーム
- 小規模多機能型居宅介護事業所
- 看護小規模多機能型居宅介護事業所
- 有料老人ホーム
- サービス付き高齢者向け住宅
- 短期入所生活介護事業所、短期入所療養介護事業所
- 生活支援ハウス
【補助単価】(※)変更なし
- 350万円/施設
これらの支援は、都道府県の計画に基づき、都道府県にて実施されます。詳細は各都道府県のホームページにてご確認ください。
参考:
厚生労働省「令和5年度厚生労働省所管予算案関係」
厚生労働省事務連絡 令和5年4月18日発出「高齢者施設等における感染対策等について」
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