医療・福祉分野でも、外国人材の受け入れが進んでいますが、2027年4月からは新たに「育成就労制度」が始まります。これは、現在の技能実習制度を発展的に解消した制度です。
介護分野も、この育成就労制度の対象となります。制度開始を前に、国税庁は育成就労外国人に支払う給与の税務上の取扱いを示しました。
育成就労制度とは
育成就労制度は、人手不足分野において、3年間の就労を通じて特定技能1号水準の技能を有する人材を育成するとともに、人材を確保する制度です。
従来の技能実習制度は、技能等の移転による国際協力を目的としていました。一方、育成就労制度は「人材育成」と「人材確保」を目的としている点が大きな違いです。
育成就労外国人は、受け入れ機関である育成就労実施者との雇用契約に基づいて業務に従事し、その対価として給与を受け取ります。
給与は原則として所得税の課税対象に
所得税法では、居住者が雇用契約に基づいて受け取る給与は、給与所得として所得税の課税対象となります。
一方、日本が締結している一部の租税条約には、「専ら……訓練を受ける者」について、一定の要件の下で、日本で支払われる給与に係る所得税を免除する規定があります。
国税庁は今回、育成就労制度が人材育成だけでなく、人手不足分野における人材確保も目的としていることなどから、育成就労外国人は原則として「専ら……訓練を受ける者」には該当しないとの見解を示しました。そのため、育成就労実施者から支払われる給与は、原則として給与所得として所得税の課税対象となり、源泉徴収の対象となるものと考えられます。
今回の取扱いの背景
背景には、技能実習制度と育成就労制度のあり方の違いがあります。
技能実習制度では、日本で修得した技能等を帰国後に活用することを前提としていましたが、育成就労制度では帰国を前提とする要件等が撤廃されています。また、技能実習制度には、技能実習を労働力の需給調整の手段として行ってはならないとの規定がありましたが、育成就労制度には同様の規定は設けられていません。
こうした制度の目的や仕組みを踏まえ、育成就労外国人の給与については、原則として所得税の課税・源泉徴収の対象となると整理されています。
なお、今回の国税庁の文書回答は、照会された事実関係を前提とした一般的な回答です。以下のサイトでご確認ください。個々のケースでは異なる課税関係が生じる場合があるため、実際の受け入れに当たっては個別の事実関係や租税条約等の確認が必要です。
[参考]
国税庁「育成就労外国人が育成就労実施者から支払を受ける給与の課税関係について」
厚生労働省「介護分野における育成就労制度について」
本情報の転載および著作権法に定められた条件以外の複製等を禁じます。
- 賃上げに活用できる支援策2026/10/08
- 地域別最低賃金、今年度も大幅引き上げ2026/10/01
- 電子カルテ情報共有サービス、今冬の運用開始を目指す2026/09/24
- 2027年度の厚生労働省税制改正要望/福祉編2026/09/17
- 2027年度の厚生労働省税制改正要望/医療編2026/09/10
- 2027年度税制改正に向けた業界の要望/日本医師会2026/09/03
- カスハラ対策、10月1日から義務化2026/08/27
- 最低賃金、改定日までに確認を2026/08/20
- 社会福祉法等改正、まず押さえたいポイント2026/08/13
- 押さえておきたい医療法等改正のポイント2026/08/06
- 2025年の認知症の行方不明者数と、GPS機器活用の効果/警察庁2026/07/30
- OTC類似薬、薬剤料の4分の1が別途自己負担に/医療保険制度改正2026/07/23
- 2026年度版のチェックリストは、パスワードルールを充実2026/07/16
- 情報機器を廃棄するときの注意点2026/07/09
- ベースアップ評価料等の算定に必要な報告2026/07/02



















